Black
死に山 ドニー・アイカー
冷戦下ソヴィエトで起こった世界的未解決遭難怪死事件の全貌を描くノンフィクション。
ノンフィクションを読むのはそうそう無いが、とても面白かった。
想像していた物語の進め方ではなく、どうも小説っぽさがあり、とても読みやすく三日で
読破してしまった。
内容としては未解決怪死事件を追いかけるアメリカの記者(?)が事件のあらましを本にまとめたものである。翻訳もさることながら、引き込まれやすい文章でホントにノンフィクションか疑うレベルである。
いかなる事でも科学が怪事件を解決してしまうと、落胆というものはつきものであるなと実感した。この本も例に漏れずである。期待が大きいだけに有力説が科学で簡単に解決されてしまうとがっかりしてしまうのはよろしくないな。
凄惨な死に方をした彼らは、当時では考えつかないような科学的事象によって殺されたのである。気象現象によって明かされる彼らの怪死事件はあっけないとは言え、当事者遺族にとっては遅すぎる解決だったのかも知れない。
解決がいかなるものとは言え、内容としては私の性癖にドストライクだったので星五つである。
本格ミステリのような、過去と現代の回想を行ったり来たりする文体はさながら推理小説である。個人個人のキャラクターがしっかりと確立される描写は、彼らの最後を想像するときにどうも感情移入させる毒薬のようなものである。
ホントに感情移入したよ。
二回目読む時を考えて、内容にはあまり触れないようにするが、小説感覚に読むには適したものである。
面白かったよ!笑
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